宗谷本線
札幌ツアーなどのバスツアーで北海道をめぐるのもいいですが、たまには汽車の旅というのもいいものです。
少し前の話になりますが、道北の宗谷本線にはじめて乗りました。
終戦までは樺太への大動脈として、函館稚内間を急行がジャンジャン走る重要幹線でしたが、樺太がサハリンになってからは斜陽線の傾向を濃くしました。
旭川からしばらく、上川平野の穂波を分けて走る列車が、蘭留、それから山の中の塩狩駅に停ります。
天塩と石狩の国境の駅。
ここまで線路に沿って流れる川は南をさしていましたが、ここからは流れは逆に北に向います。
天塩川の流れですね。
この辺はまだ水田の水が光っています。
名寄市はその中心に生れた町で、ここからオホーツク海岸に行く名寄本線と、木材の豊かな雨竜山中を貫通する深名線とが分れています。
稲田はそこからまだ見え隠れしながら北に延びて、美深から先は天塩川の流れは次第に大きくなり、人里が次第に狭くなり、こんな山の中にと思うようなところに、木材だけが積んであって、ほとんど人影のない駅がつづいています。
咲来、箴島、神路、佐久など、ふと下車してみたいような駅名がつづきますが、どこも木材の匂いの強い駅で、山路を歩いていると全身野獣臭い、沿海州のシホテ・アリニの山の中を獲物を求めて歩く、狩人デルスウ・ウザーラのような男に出逢ったりします。
このあたりからはたしかに道北だという感じが、ひしひしと肌に感じられてきます。
この山峡を抜けると、亜寒帯の寒々とした空気の中に入ります。
しかしここらはまだ上川の行政管下で、留萌支庁や宗谷支庁の管轄はまだまだ先なのです。