EEC問題の浮上限界
ガットにおける一般的関税交渉が縮小再生産のきざしをみせ始める理由として、大きくいって次の二つの点を指摘できます。
一つは外的要因であり、世界経済のなかでアメリカとEECの利害対立が顕在化してきたことであり・・・
いま一つは内的要因であり、多角的関税引下げ方式それ自体の内部に、より以上の展開を阻止する要因が強まってきたことです。
まず前者についてみましょう。
ガットの成立自体がそうであるように、それまでの一般的関税引下げ交渉もまた、つねにアメリカの強いイニシアティヴの下に展開されてきました。
アメリカはガット各ラウンドの事実上の主催国であり、同時に牽引車でもありました。
それはこの時期のアメリカがパックス・アメリカーナ体制の下に国際的に圧倒的な政治・経済力をもっていたばかりではありません。
西欧諸国・日本などが数多くの重要輸入品について輸入数量制限などの非関税障壁を設けている状況の下では、アメリカだけが唯一の自由貿易国だったからです。
「アメリカ主導による互恵的関税引下げは、アメリカ側の一方的な市場開放となった」
・・・といわれるように、アメリカは自らの市場を開放することによって、世界全体を徐hに自由貿易体制に組み込んでいこうと図ったのです。
しかも、こうしたアメリカ主導による一般的関税交渉は、アメリカ特有の国内事情から次のような複雑な形をとって展開されました。